模倣とか


ホビスナさんのコンテスト後にこんなんが出てた。

正直どれがどうパクリだったのかよく分からんのだが、なんか関係者聞き取りでパクりと判明したらしいのでなんつーか、まー、みんな気をつけれとしか…

でだよ。

私はどっちかというと膨大な過去の作例を知り色々な技術を「知っている」という

雷電ポジを目指しているので「自分で開発した」よりも「こんな技法をガンプラに持ち込んだ」とやる方が多いのである。つかね、彩色方面だと油彩とかが陸奥圓明流みたいに数百年とか千年のスケールで技術開発してて、プラモでやるような技法は割と絵画方面からの流用多いんだよ。

今度古技術の掘り起こしとして「カッパ塗り」とかやってみたいと思うのだが、アレだってグリザイユ画法にレイヤー一枚載せてバランス整えたやり方だし、ドライブラシやエアブラシだって絵画技術の応用だぞ…

本当に、ほんとーに古今東西誰も発見してない新技法という物は極めてレアであり、大体のものは既存技術の再発見とか既存技法の発展系なんだよ。ガレージキットでシリコン型とレジン使うのも恐らくは歯科技工士が銀歯や入れ歯作るときの技術の転用であろうし、我々は多種多様な先人開発の技術を前提として色々な作品を作っている。恐らくは若い人は知らないだろうが、アニメ顔と呼ばれる二次元キャラ特有の頭の形を三次元化する技法やアプローチもこの40年で飛躍的に向上し、定番化している。機会があれば模型情報別冊で出ていたフィギュアの本でも見てみるといい。あの辺が第一の変革期だったと思う。

私もフィギュアやガンプラのバランス取りに各種の美術関係知識を流用している。高校生ぐらいの時はイラスト描いたりしてたし、実際リアル寄りのデッサンとか彫刻してた訳で(学校の課題で)

そして…既存技術であるが、無知が故に既存技術の再発見が度々行われていることも知っている。つうかこの世に無数にある美術関係技術を知悉して全ての来歴語れるような奴は多分この世にいない。私は高校の時分に美術教師に油絵についてこう教えられた…何してもいい。指で描いても盛り上げても何したっていい。大抵のことは先人が試して技法として確立してる。どんなことしても油絵に関しては「道を外れることがない」好きにしろと。

水墨画の専門家は水墨画には詳しかろうが、水彩画に詳しいわけではあるまい。中には明確な模倣もあるだろうし、記憶に微かに残る先人の技術を意図せず模倣してしまうことも、先人の技術の再発見もあるだろう。合わせ目消しやゲートの二度切りだって「誰かがはじめたもの」ではあろうし、全ての技術やテクに感謝やらリスペクト述べてたらプラモ雑誌の作例記事が倍の尺になってしまうんではなかろうか?

確かにリスペクトは必要であろう。不要な摩擦を回避できる潤滑油みたいなものだ。ただ、同時にそれは徹底するのが極めて困難でやる気になればパクりか再発見かを見極めるのが大変に難しい話でもある。

さらに踏み込んで考える。なんでパクるのか? 虚栄心と言ってしまえばそれで終わりではあるが、私は以下の点で疑問に感じる。

1. ブログやSNSでタイムスタンプが自動付与される昨今、起源の虚偽申請難しくね?

2. 容易にパクれる…逆言えばアイデアのみの新技術の起源主張ってそんなに自慢できるもんか?

凄テクって発想レベルのものではなく、模倣が難易度的に難しいものではないかしら? こうしたらこんなんなるでーみたいのはその…なんつーか…豆知識? みたいな? それをパクったパクられたっちゅーのは割とこの…な!

模倣しやすい技術の開陳つーのは模倣してもらうのが前提なんではないのか? パクられるの嫌なら開陳しなきゃいいし、(それが完全オリジナルで世界的に見て最初の発案であることは稀だと思うが)名を残したいなら名前ごと広めたらいい。バーリンデン塗りとか前例はある。

下手に嘘ついて起源主張したり、無知から起源主張しないようにした方がえーんちゃうかなー、みたいな。軋轢みたいの生んでしまうし。

まぁ大体誰か先人が試してるよ、うん。