HGUC191物語


宇宙世紀0081年、我が隊はパイロットの大活躍により遂にガンダムタイプのモビルスーツを受領する事となった。これでジオンの残党も木っ端微塵よと言いたい所であるが、何しろ宇宙は広い。広大過ぎて怖い。
この前ばーちゃんの法事で実家に戻った際にいとこ連中は「月に行くのはサイタマからオオサカに行くようなもん」みたいな話をしていたが、お前宇宙舐めてんなとしか言いようが無い。地球から月までの平均距離は軽く1000倍ぐらいあるんだが。
逆に言うとコロニー圏内というのはサイタマ-オオサカ間の距離を1000倍近くした途方もない距離を半径とする円状の平面上にコロニーが散在し、所々一年戦争の残骸が浮遊し、その辺に資材様に引っ張って来た小惑星、この辺に半壊したコロニーの残骸・・・・とジオンの残党が転がっているという事だ。地球上のジオン残党も処理しきれてないのに宇宙にまで手を伸ばすの無理すぎぃ!

そしてこの広大な宇宙には人知を超えた現象というか、お前頭大丈夫かと心配になる兵器を開発するジオン軍と、その変態人類の生み出すびっくりどっきりメカが漂っており、その掃討が主任務である我が隊はいつも腹筋を酷使しているのである。(RGR-79-S.A.Nパイロット 記す)

 

と、勝手な事書いてる若造が居るが、当部隊に配備された「ガンダムさん」は、実際の所ガンダムではない。
本機RGR-79-S.A.Nはア バオア クーにて座礁したホワイトベースから回収したガンダリウム装甲をそのままジムスナイパー(RGM-79-SP)に被せた様なもので、正直な話GMである。
一年戦争終結後に毎晩の様に戦争に勝ったぞ万歳番組が流れた結果、地球連邦軍内には数多くのガンダム信奉者(我々はガノタと称している)が生まれ、軍の再編時にあちこちから
「俺もガンダムを見た(陸戦型)」
「テレビに出てたの俺の見たガンダムと違う(アレックス)」
「鎧着たのがサンダーボルト宙域で壊されてた(サンボルフルアーマー)」
「キュピンって言ってた(NT)」
「核運用できるガンダムがあるらしい」
等のうわさが広まり、軍内に「なんかガンダムって結構量産されてて、無理言えばガンダム受領できるんじゃね?」という雰囲気が造成されてしまったのである。
この傾向は特に辺境宙域の調査に派遣される部隊で顕著であり、冗談抜きでガンダムくれなきゃ出撃しねぇなどと言う戯けた若者を生み出すに至った。
とは言うものの今更RX-78の製造ライン作る訳にもいかず、困り果てた資材部が生み出した妥協案が「ガンダムさん」作戦である。
正直な話、アムロ氏のガンダムには複数回全身装甲を交換できるだけの予備パーツが補給物資として用意されていたのだが、流石ニュータイプと言うべきか・・・・この予備パーツは丸々残った。あの機体はほとんど被弾してないのである、戦争してたのに。
そこでこの装甲を後期生産型のGMに被せ、リサイクル品のガンダムが誕生した。RGR-79のGRはGundam type Re-production modelの略である。

このモデルの最初期型が当部隊に配備されたのは、ザクレロ相手に失禁かまして「ガンダムなきゃもうやだ! フルアーマーだせよー!」と駄々こねたバカであり、軍内でも有数のガノタ(ただし戦績はそれほどでも無い)であるパイロットが我が部隊に居たからである。同時にこれはモビルスーツパイロットにプラセボ効果があるのかどうかを調べる任務も付随している。

この任務遂行の為、本機の仮コードであるRGR-79は秘匿され、現場では本機をガンダムさんと呼称してる。最初期は単純に愛称だったのだが、さんってなんスかと割合鋭い質問をしてきたパイロットを誤魔化すため、後付けで「ストライク アサルト ナビゲーターの略である」という事になったが、さんは純粋にパチモン識別用だ。

とはいえ、一応カタログスペック上は相応にガンダムしている機体であり、装甲に関して言えば生粋のガンダムである。逆に言えば戦争後期にはアムロ氏が運用していたために余り目立ってはいないが、装甲性能が少し残念になった機体である。そこで本機は3度目の出撃を前に増加装甲をフルアーマー計画宜しく適当に貼り付け、更にスラスター推力を向上させる為にバックパックをBF計画で策定された高機動型に換装している。(ほーら、フルアーマーガンダムさんになったぞぅ! と言ったらやたら感激していた)ccsho4humaagbst

とまぁ、そんな脳内設定でHGUC191のガンダムさんをビルドファイターったのである。

プラモデルとしての方向性は「一回綺麗に作ったけど、その後に色々弄りたくなってあれこれ付け始める小中学生みたいなプラモデル」を目指しているので、ガンダム自身はきちんと作り(きちんとぉ?w)、その後に市販されているオプションパーツを貼り付けてデコって行った。
装備品としてのマストは「ガンダムでグライディングラムしたい、テムジンみたいに、バーチャロンの」なので、ライフルっぽい長物銃に改造パーツのビームサーベル(ごついの)を銃剣みたいに付けた。きちんと肩に銃のケツ付けて突撃時の衝撃を肩に逃がすポーズも取れるよう調整した。
装甲パーツは基本バイタルに関係しそうな中央部のみとし(ジムコマンドとかの後期生産GMもジェネレータ出力そんなに高くないしね・・・・)、肩の追加装甲は正直ランスチャージした時に肩が凹まぬような配慮に過ぎない。そして装甲はフルアーマーガンダムっぽい意匠になるよう配置している。(右腕の小型盾はMSVのFA-78から移植)
塗装は缶スプレーで腹の赤い部分、足先、青い胸の部分だけクリアー系を吹き付け、できる限り彩度を落としてみた。あんまトリコロールがきっついとX-29(アメリカの前進翼テスト機)みたいに見えるしな。

最初の方ではエナメル黒で墨入れしてたんだが、一部てけとーに接着剤塗って接着した隙間からエナメル溶剤が染み込み、プラ割っているので途中からタミヤアクリルでの墨入れに変えた。灰色部分はサーフェイサー吹いてそのまま。なんかデカール貼りたかったので右腕の小盾にデカール貼ったらサフ色ではデカール文字見えなかったんで筆塗りで黒く塗ったくった。

んで、最後に艶消しクリアでドーン。IMG_0390

GundamSan

HGUC191 RX-78-2ガンダム触ってみた


前にガンプラの進化を知るなんて記事書いたんだけど、新しい金型のHGUC191が販売されてたんで買って組み立ててみた訳だ。

前回のモデルは立像として結構いい感じに仕上がってるんだけど、今回のHGUC191は「アクション取らせたときに最も見栄えのするモデル」になった様な気がする。前作は立った状態で、或いは軽くポーズとらせて見栄えのする常態に最適化されているのだが、その後にガンダムビルドファイターズとかやったしね、動かして遊ぶのが楽しいとか、劇中みたいに派手に動かしてカッケーポーズ取らせたくなったとか、なんかバンダイホビー事業部のそこはかとない方針転換を感じる。

モデルのインプレッションなんかはWebに転がりまくってたりするので、全体的に細身となり、稼動域が広がった・・・・ぐらいの言及にとどめておく。特に肩の稼動粋が凄いね!

で、おじさんは他の部分が気になるわけですよ。

前回の記事でも触れたが、前のRX-78は金型が凝りまくりだった。2枚分割のタイヤキ型ではなく複数分割(おそらく三つ)した金型使ったりして、妙な迫力を感じたもんだが、今回のは常識的な分割になってる。金型が複雑かつ精緻になると、金型の寿命減っちゃうしね、前回の金型ではビームサーベル一体成型とか肩が1パーツとか「そうする必要性は果たしてあったのか」と首をかしげる部分も無きにしも非ずだった。肩は2分割してモールドの部分で合わせれば隙間目立たないし、ビームサーベルも今回のモデルみたいに2パーツ構成にして組み合わせたらなんも困らんよね。

で、組んだらこんな感じ。バキっぽいポーズだが気にしないでほしいでござる。

RX78Base

開手2つも入れられたらこうもなろうというものでござる。

難点は足裏モールドに肉抜きがあるとかだけれども、基本的にはそんな気になるもんでもない。足裏マニアは肉抜きを埋めると宜しかろう。個人的には老眼が出てきたのか説明図や細かいパーツの裏表が見にくかったので、おじさんやおじーちゃん向けにもう少し色々と工夫が欲しかったりするが・・・・拡大鏡で対応できるからまーいーか。

丁寧に湯口(最近はナンだ、ゲートっちゅーのか?)を処理して組み立てればこんな感じで砂場に持ち込んでジャブローごっこするのに最適なおもちゃが手に入る。

んでだ。

前回大望を抱いてFA78化するべく切った張ったしようとしたら、思いの外面倒というか、学生時代のように時間取れなかった為に宙に浮いた改造計画を反省し、今回は完全にテケトーに、小学生みたいにアリモン組み合わせて「俺だけのガンダム」やる事にした。

てーか、ツイッターで「ガンダムでグライディングラム」という謎電波をウィンウィンしてたらガンダム作りたくなって色々買い込んだんだよね。

kaizou

グライディングラムするに当たり、なんかゴツい射撃兵器に銃剣みたいな感じでビーム刃付ければいいだろうという判断と、前方推力を底上げして「死ねやごらぁ!」的に突っ込むイメージは出来てた。後はプラモ屋行ってその手のアクセサリパーツを買い、貼り付けたらそれでいいやーって感じ。

銃のケツはしっかり肩に当て、機体重量と推力で刃を押し込むものとして、銃剣と同一直線状に推力が来るように背面バーニアを配置。なんかアポジモーターで攻撃かわすとかそういうのは無いので「突撃ポーズを取った時に正面面積が出来るだけ小さくなる」様にして、コクピットとかは前腕の追加シールドで守る。

大規模な改造をしないように最小限の改変しているのは主に作者の怠惰が原因なんだが、それを正当化するような脳内ストーリー考えるのも楽しいよね。今回はジオン残党狩りしてる部隊がジオンのビックリドッキリメカことMA開発部隊との交戦の為にどっかに転がってるフルアーマーガンダム要求したんだけど、要求直後に予算分捕りやすくするためN○Kの密着ドキュメンタリーに取材させたら事もあろうにグラブロ相手に醜態をかまし、余りもんのガンダムパーツと開発中の高推力ランドセルだけ渡されて、言外に「みっともなすぎて悲しいからむしろ死んで来い」という対応されたと仮想している。

この様な理論武装で軽い改造を正当化したので、後はちょいちょいと墨入れしたりどーしても統一感が欲しいところに少しだけ色を塗り、つや消しクリアで全てをまとめるつもりである。

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ガンプラ作るのに徹底して「楽にやらす」ってのは、時間の取れない現代の人々にガンプラ作らすための必須事項なのかもしれないねぇ。

 

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