ちっくしょー。
フィギュアネタがメインのBlogなのにビルドファイターズの記事の方が大人気だ! 悔しいッ!
悔しいのは本当だが、これもまぁ仕方が無いのだろうなと言う諦観。
何事も人は早くて安くて美味くての吉野家の牛丼に流れるのである。ある種のエントロピー則と言うか、なんと言うか。厳しい時代や辛い時期を乗り越えた人間は過去の憧憬から「あの時は良かった、しかし若いもんは・・・・」と愚痴るのは古代エジプト時代からのデフォなので、こればっかりはどうしようもないのだ。
先のビルドファイターズの記事で、模型屋が廃れているという話を書いた。これは物流や情報の拡散速度が増した結果として「近所の高いプラモ屋でプラモ買うのは損」という認識が蔓延した結果だろう。本当は模型屋と言う店舗はプラモデルだけでは無く他の物・・・・特にソフトウェア的な物も同時に商わなければならなかった筈なのだ。物だけ売ってたら大規模量販が台頭した時に必ず滅ぼされる。
皆が知っている海洋堂と言う会社。
今ではすっかり立派な会社の顔をしているが、過去には色々とやらかして危ない時期もあったという。でも今も生き延びてる有名プラモ屋って物だけ売ってるんじゃないんだよね。
ガンダムビルドファイターズに極めて近い事をやっている所もあるという。流石にガンプラバトルはやって無いけど、そこに常連が集い、新しい技術を伝達しあい、それが商売に繋がってる部分もあるんですと。
例えば今の(と言うか少し前か?)のガレージキットって、シリコンゴムとレジンキャストで原型を複製した物なんだけど、この基本技術の確立は歯科技工士であった某氏が入れ歯などの作成技術を応用して作った物であるという説がある。(恐らくこの技術はオタク天国だった某大学か、SF大会等の場で共有されて行ったものではないかと私は推測している)
このガレキ創世記の連中と言うのはやりたい事が渦を巻いて爆発寸前になっており、基本「あのキットはなってねーから俺が本物のxxxxを作る!」とか「俺様ちゃんの大好きなxxxxのキットが無いとかふざけているので俺が作る」とか、そういう連中だったらしい。
この辺の造型欲旺盛な連中が高精度のガレキを作り、そこまで達しない連中がガレキを買う。
本当はみんな、自分で自分なりのモデルを自作していればこの様な状況にはならなかったんだろうが、圓句昭浩氏のデビルマンやボーメ氏の女の子見てたら中々自作する気にはならんわな(笑)
ガレージキットは組み立てて綺麗に塗ればすげーのが出来るけど、組み立てるのも塗るのも俺は下手・・・・どうしたらいいのかと言う事で、完成品キットが最近は凄いですな。中国のおばちゃんの技術はマジキチですな。
敢えて書いておくが、昔は欲しい物はブラウン管の中や脳の中のファンタジー部分にしか無かった。
しかしそれがキットとして提供され、完成品として提供され、自分の脳内にあるものよりも良い物が、或いは妥協をするのに十分な物が手に入る様になると、人は魂燃やして「欲しいもの」を作ろうとしなくなる。
何しろめんどくさいからね。
これ、結局自作PCでもネットゲームでも同じだった。
どこでも人は「早くて楽で美味いもの」を求め、ハズレ引く事を恐れ、自分でどーにかこーにかするという方向性を模索する人は減少傾向にあった。これを憂うとかそういうのは「お門違い」であり、世間一般の性向として「これはこのような物である」と認識するべきなのだろう。
そんな中、ビルドファイターズは一つの挑戦をしている。
物作りというめんどくさい事、そして最高に楽しい事を人々に定着させようとしている。奇しくもこの間の放映で「綺麗に作っているだけで、大事な物が欠けている」等の思わせぶりなセリフも出ていた。
ビルドファイターズは、最新のキットを用いて原初の気持ちを揺り起そうとしているのではないか。
それは「自分の欲しい物は自分で作る」という情熱の焔であり、欲しい物を何としてでも・・・・自ら苦難の道を乗り越えてでも手に入れようとするドロドロとした情念の塊であり、消費世界への決別の言葉ではないだろうか。
もしその見方が正解なら、この物語は最終的に「自尊独立」と言う方向性に向かうと思う。どんなに下手でも自分でやった事が一番良い。それで思いが敵わず悔しい思いをしてでも、欲しい物は自らの手で掴み取る・・・・最後にはセイはレイジと対決するのではないだろうか。
レイジの為の僕のプラモデルでは無く、自分自身の為の自分のプラモデルで。
おいさんがミニチュアフィギュアを作っているのだって、究極的な意味合いでは「だって欲しいモデルがどこにも売ってねーんだもん」なのだ。おいさんだってすげー出来の良いブラックソーン閣下のメタルフィギュアが1000円ぐらいだったら買っちゃうよ。そして自分では作らんよ(笑)
ブラックソーン閣下だったらまだ良いが、GundaやVesselなんて誰がどう見ても「私にしか用の無いフィギュア」なので、作るとしたら私しか居ない。マイナー好きな私は最終的にどこの世界でも「自分の欲しい物は自分自身で作り上げて手に入れるしかない」を貫き続け、なんか世間と少しずれた世界を歩いて行くのだろう。
多分、私は消費側では無く稚拙でどうしようもないが「提供側」にいる人間なのだろう。
P.S.
今はまだ明らかにラルパーサやシタデル、ミスリル等の諸外国の有名メタルフィギュア原型作成者には遠く及ばないが、いずれ今よりも彼らに近い所まで自分の足で歩いて行き、可能であれば何か一つでも彼らの名作に匹敵する作品の一つも作りたいと思っている。
UOとか以上に30mmサイズのミニチュア作成している「プレイヤー」少ないからなー(苦笑) 目指すは世界だぜ!